金融

デフレと所得水準

バブル崩壊後、日本人の所得はデフレの嵐にさらされ、世界経済の自由化の荒波に洗われているにもかかわらず、所得水準は高止まりになったまま、なかなか落ちませんでした。

一番早く手を打ったのは競争にさらされている業界で、生き残りを賭けて「人員削減」「賞与カット」などのコストカット施策による所得ダウン措置がとられました。現在においてもその波は業界を問わず波及しており、一段と拍車がかっかているのが現状です。

しかし日本国内には例外があって、国際競争にさらされることもなく、海外の低賃金の会社からの挑戦を受けることもなく、しかも国内でも競合することのない業界が日本には存在しています。官庁・役所、公社・公団、電力・ガス、銀行などがそれに該当します。

これらは政府に規制された業界であることにあぐらをかいて、市場とはかかわりない独占価格を定め、世界の実状を無視した賃金水準を定めていて、日本の賃金水準を高止まりしている大きな要因となっているのです。

こうした規制された業界の賃金体系が、私企業の賃金体系に悪い影響を与えないはずはないでしょう。

銀行に至っては、かなり業績のいい一流家電・自動車メーカーと比べても、平均所得が二倍も三倍も高いのが現状で、私企業の多くが国際的にも激しい競合の中にあるのだから、モットフレキシビリティのある賃金体系を持っていていいはずです。

預金通貨の流通

今日のように経済の進んだ国では、預金(本源的預金、派生的預金)は支払・決済手段である貨幣の大半を占めます。つまり貨幣支払総額の大部分は、銀行が創出する預金の移転によって行われているのです。そのうちでも預金通貨または要求払預金は、機能面において貨幣のベースである現金通貨となんら相違がない貨幣です。

あえていうならば、現金通貨は個人の消費支出や企業の小口取引などの決済に用いられるのに対して、預金通貨は住宅購入や企業の大口取引などの決済に用いられます。このように支払・決済手段として大きな役割を担う預金通貨は、どのように流通しているのか一般庶民には想像もつかないのが現状でしょう。